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第108回 認知症高齢者の内服管理

桜山診療所師長 伊藤京子

高齢で認知症があって日常生活にも支障をきたしている方が、このところ顕著になっているのを日々の実践の中で痛感しています。当診療所でも、「あれ? 少し変わってきたな」と感じているうちに血圧のコントロールが不良になり、どうも内服もうまくいっていないということが見えてくる患者さんがいます。さまざまな困難を抱えているということもわかってきます。

内服管理は、病状を安定させるうえで非常に大きなファクターになります。こうした中で2人の方の「内服管理が安定的にできる」にかかわり、身近にある診療所の役割の大きさを感じました。

「確実に内服できる」方法を考える

Aさんは80代の女性、精神疾患のある息子さんと2人暮らしです。高血圧、アルツハイマー型認知症で20年前から受診されています。79歳頃から物忘れが始まりました。定期的に受診はされていましたが、薬が確実に内服されていないことがわかりました。そこで、「確実に内服ができる」ように内服方法を検討しました。

息子さんが他人との関わりを拒否し、ヘルパー導入は難しく家族が管理することも困難でした。そこで、Aさんの自宅が診療所の近くにあることから、診療所で内服薬を預かることにしました。日曜以外は毎日来院し、血圧を測定して内服確認をします。毎日来院することで体調管理ができ、Aさんや家族との信頼関係ができました。

認知症が進み徐々に来院する間隔が空いてきましたが、薬を診療所で預かる期間は2年以上続きました。徐々に内服薬の調整をし、内服が終了になりました。しかし、通院習慣は継続しており、その後も月に数回不規則ながら来院し、診療所との関係が続いています。

ヘルパーが薬を取りに来て内服援助

Bさんは80代の男性、家族とは絶縁状態で、一人暮らしをしています。アルツハイマー型認知症、高血圧で受診されています。物忘れがあり、1年前から内服困難となり、ヘルパー、デイサービスを利用し、一包化、カレンダー方式で内服管理をされていました。

ケアマネさんから「内服薬がなくなり、いくら探しても見つからない」との相談があり、管理方法の変更を検討しました。自宅に薬があると場所を移動させたり、仕舞いこんでしまいスムーズに内服ができません。Bさん宅も診療所の近くでしたので、診療所で薬を預かることにしました。

Aさんと違うところは、朝ヘルパーが診療所に内服薬を取りに来て服薬援助をする方法をとったことです。デイサービスの日は事前に事業所に内服薬を預けて、デイで内服してもらいます。その結果、ヘルパーの入らない日の内服忘れはあるものの、以前より内服ができ、血圧はじめ体調が安定しています。毎日ヘルパーが診療所に来ることで、自宅での状況が把握できるようにもなりました。

さまざまな関わりにもつながっていく

内服管理方法はいろいろありますが、今回は近隣ということもあり、認知症のある方に「無理のない服薬管理」という目標に診療所が積極的に関わりました。内服管理だけでなく、さまざまな関わりにもつながっていくことがわかりました。

今後とも患者さんを取り巻く家族などにも目を向け、多職種とも連携し、安心して治療を受けられ、生活していけるように小さなことも見逃さず援助につなげていきたいと思います。

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