10月も半ばに入りましたが、凍えるような雨が続いています。冬を先取りしてしまったような気候に慌てて衣替えをしました。皆さんも体調管理にお気を付けください。
ブログでは、9月に行なわれた文化祭での3年生の発表についてご報告いたします。
3年生は、地域社会の実態についてフィールドワークへ出かけ、学習をしました。
農業体験をしたグループ、雇用について考えるグループからの発表です。
初めに、農業体験のグループから発表がありました。
突然ですが、日本の食料自給率はどれくらいか、ご存知でしょうか?
学生たちのリサーチによると、1961年には79%あった自給率ですが2011年にはなんと39%にまで低下しています。
どうしてここまで低下してしまったのかを見てみると、第二次世界大戦後に農業が衰退してしまった事実があります。
またアメリカの食文化が日本に入ってくるきっかけもこの時期にありました。
食文化の欧米化から食材の輸入も増えていったと考えられます。そんな数字を頭の片隅に思い浮かべていただきながら、農業体験についてご報告です。
学生が体験を通じて思ったのは、とにかく「大変!」ということです。
1日目は天候に恵まれましたが、2、3日目は強風のためマスクをしていても呼吸がしづらいくらいで、砂埃が目に入ったり、視界も悪い中での体験でした。
また腰や背中、足の裏など体全体に大きな負担のかかる作業が多く、非常に重労働であることを、身をもって学びました。学生の体験は3日間のみでしたが、農家の方々はこの大変な作業を365日行なっていると思うと、当たり前のように食卓に並べられていた食事を食べていた自分が情けないと感じてしまうほどの過酷な体験です。
このような体験をしたからこそ、無農薬農業の大変さをより実感し、野菜の見方がぐっと変わりました。
体験を通じて、一つの野菜を作るのにかなりの労力、時間、経費がかかっていることを知り、何より農家の方々が愛情をこめて野菜を作っていることを知りました。
お店には、輸入野菜なども多く並んでいますが、アメリカのモンサント社によって作られた遺伝子組み換え食品について、ちょっと怖い報告もありました。
同社はや日本は3か月ほどの検査で問題なしとの結論を出していますが、長い期間実験を続けると、変化が現れたという事実です。
性差はあるものの、実験のラットにメスには乳腺ガン、オスには甲状腺ガンが発見され、非遺伝子組み換えのトウモロコシを食べていたラットよりも2~5倍の確立で発病が認められたというのです。
日本では、製造日から賞味期限までの期間をおよそ3等分して設定する1/3ルールが存在し、その販売期限を過ぎた商品については破棄されてしまうということもわかりました。
いつ、誰が、どんな場所でどのように作られてきたのか、どんな添加物が入っているのかを把握し、安さではなく「安全」なものを選ぶという消費者の意識が変わることが大切だと気が付きました。
現在、日本では経済格差からご飯を食べられない子供もいます。その裏で、破棄される食料もあります。汗水かきながら休む間もなく一生懸命に作っている農家の方々のためにも、食材があることに感謝し食べ物を無駄にしないことから一つずつ始めていきたいと思いました。
当たり前に食べられるということが、農家の方々の多大な努力の上に成り立っているということを常に思って、感謝の気持ちと、「もったいない」という気持ちを持つことも大切なのだということがひしひしと伝わってくる発表でした。
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