こんにちは! 看護学生室です。
師走に入り、寒さも一段と厳しくなってきました。
もう今年もあとわずか。あれもこれも、やり残したことがいっぱい……なんてことにならないように、
年内に色々と片付けてしまいたいところです。
東京勤労者医療会は、11月26日にグリーンタワー幕張にて行なわれたNEF(Nurse Egg Festival)に参加しました。
これは民医連 関東地方協議会(神奈川・東京・茨城・栃木・千葉)の看護学生のつどいで、関東地方協議会の看護学生が民医連の医療・看護を学び、交流する企画です。
テーマは「命の選択はみんなの医療~無差別・平等~」。
お金があるかないかで命の価値が決まるのはどうなのか? といった、貧困や制度で、患者さんが望む医療が受けられない問題に対して民医連がどのような医療をしているかなどを参加者で共有することを目的に開かれた学習会です。
講義には千葉民医連法人本部 福祉介護部部長の岩谷久美子氏をお迎えしました。
ご自分の経験談から民医連との出会い、千葉民医連(勤医協)へ就職し、多くの患者さんに尽力してきたお話をしてくださいました。
中でも印象が強い、Aさんという患者さんについて紹介がありました。
路上生活者だったAさん。台風が近づく天気の中、病院を訪ねてきました。わけを聞くと
「駅で寝ていたら通行人に、あの病院へ行ってみたらと声をかけられた」
と答えたそうです。路上生活者のAさんは出稼ぎで上京し、日雇い労働を続け、独居でした。70歳を迎え仕事ができなくなり、お金はないけれどお酒は大好き……といった方。
Aさんの人生を地域で支えるため、住まいの確保のため奔走。保証人なしでも貸してくれるアパートに入居できました。Aさんはその後、がんが発見されて、病院でご臨終を迎えたそうです。
Aさんのように、お金がないから病院にかからない、という人は少なくありません。
国で制定された診療報酬・介護報酬により、病院にかかったり介護サービスを受けるには一定の料金が必要です。また、入院の際には差額ベッド代が診療代とへ別途かかり、大変な出費になることもあり得ます。貧困が進んでいるといわれる世の中において、必要な医療が必要な人に届いていないという現状が見て取れます。
私たち民医連の病院は差額ベッドを頂かず、地域の協同基金により支えられている病院です。このような運動をより進めていくというお話がされました。
真剣なまなざしで学生たちもお話を聞いています。
講演の後、グループワークで感想を話し合います。
顔を合わせるのは初めての人たちと話すのは緊張する……ということで、アイスブレイクで「名前しりとり」で自己紹介。隣の人の名前の一番下の文字を取って、自分の名前の自己紹介をします。結構頭を使います。
なんとなく硬い表情だった皆さんですが、だんだん打ち解けてきました!
今回のNEFでは、より多くの人からの意見を聴く機会を作るために、グループワークを2度行う形式が採られました。
最初のグループワークは、講演を聞いて考えたことなどをグループで話し合います。
グループでは様々な意見が飛び交ったと思いますが、筆者が参加していたグループでは、差額ベッド代を取らないという民医連はすごい、という話が出ました。また、このような活動はもっと知られるべきだし、他の病院でも導入すべきだという意見が出されました。
無差別平等とは言うが易し、行なうは難しかもしれません。しかし、何人も「生存権」で生きる権利が守られている以上、健康で文化的な生活を営む権利があるのです。それをお金のあるなしで妨げられるというのは、本来の医療の形とは違っているのかもしれません。
午後はお腹いっぱいになって眠くならないようにとクイズバトル!
横浜の海軍さんはどこの国の海軍さん? とか、このご当地キャラクターはどこのキャラクター? とか、わかりそうで分からない問題が……参加職員がアイドルグループの人と同じ小学校出身ということが知らされて大いに沸きました。
頭もスッキリしたところで、席替えをして改めてグループワークをします。
一人でも多くの人との交流と意見交換をしたいとの実行委員の発案で、グループ替えがありました。
今度も自己紹介。今度は、自分の名前のつく動物のものまねをしながら、という難易度が高いものでした!
自己紹介も2回目となれば慣れたもの?!
また違うメンバーの前で「動物の物まね自己紹介」はなかなか恥ずかしい……
そして意外と、「自分の頭文字がつく動物」が思いつかない……
午前中よりずっと打ち解けた雰囲気の中で、笑い声と共に自己紹介が行なわれました。
2回目のグループワークでも、「差額ベッド代を取らない」ということがやはりもっと知られてよいはずだ、
また無料定額診療(窓口負担を病院が負担し、患者負担をなくす民医連の制度)についても
もっと知らせるべきという意見が出ました。
高齢化社会に向けて、インターネットなどが普及していても使えない人がいるかもしれない、ならば知らせに行かなくてはいけない、など、自分たちから知らせていくべきだという意見が多数出ました。
日曜日に開催されたにも関わらず、参加した学生は166人、職員は37人で大盛況のうちにNEFは終了しました。
学生たちの闊達な意見交換の場として、また「志を同じくしている人がこんなにたくさんいる」ということを実感するためにも、意見交換の場にしていただきたいと思っています。
参加した皆さん、本当にお疲れ様でした。
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