こんにちは! 看護学生室です。
前回は、東葛祭での1年生の発表をお送りしました。
今回は、2年生の発表をご紹介したいと思います。
2学年、23期生は生命活動を学ぶにあたり、春休み中に課題として「生命150億年の旅」という本を読みました。
そこには、ビッグバンから宇宙が誕生し、銀河系に地球が誕生し、その中に生命が生まれてゆく進化の歴史が書かれていました。
生命は、最初は単細胞生物と言われる単純な構造の生き物が海中に産まれ、次第に複雑に進化を遂げ、人類が誕生し、今に至ります。また、人間の胎児は、母親の体内でこの150億年進化を続けてきた生物と同様の変化を遂げることを知り、感銘を受けました。
生命活動を通して、身体のつくりや働きが、どのように発生・進化してきたのか8つの系に分かれて学び、細胞レベルまで調べることで、身体を構成する60兆個の細胞がどのように働き生命活動を行なっているのかを学び、細胞が生命活動を行なうことで恒常性を保って身体を支えていることを学びました。
内分泌とホルモンの働きを分かりやすく学ぶため、寸劇で解説です。早速その様子をご覧ください!
「こちら、恒常性部内内分泌化ホルモン室です。今日は小難しい内分泌と少しでも仲良くなってもらえるように寸劇で解説していきます!」
まずは、神経系と内分泌系の違いについてです。寸劇のタイトルは、「Yくんの恒常性」!
昨夜遅くまでレポートを書いていたYくんは、ついつい寝坊。走って学校へ到着します。
間に合ったけど、ちょっと息切れ……
そんなYくんの体内はどうなっているのでしょうか?
「こちら交感神経です! 走ったから酸素が足りなーい! 呼吸数上昇! 心拍数上昇!」
「りょうかーい!」
さすが、神経系は速いですね! 神経が繋がっている場所ならすぐに伝達できます!
ところで、内分泌系はなにもしていないんでしょうか?
Yくんといえば、「走ったら汗かいちゃったー。のども乾いたよー!」
「下垂体です! はぁ~、しょうがない。汗で体内の水分を出しちゃったから、尿量を少なくします!」
お次は、細胞たちが沢山出てきました。
「副腎皮質刺激ホルモンです! 血液を流れていきまーす! 細胞さん、ナトリウムの再吸収をお願いします」
声をかけているのに、細胞さん達には話が通じません!「ハロー」「アニョハセヨー」「ボンジュール」……あれれ、どうしてでしょうか?
副腎皮質だけが、「りょうかーい! ナトリウムの再吸収を促進します!」
ホルモンの命令はすべての細胞に伝わりますが、その命令の意味を理解できる細胞は限られています。例えば、海外の人と会話しようと思っても言語が違えば通じない……わかりやすい例えです!
学校では、お昼休みになり、楽しみにしている昼食の時間です!
「はー、おなかいっぱい!」
そんなYくんの膵臓のランゲルハンス島の動きを例に、体内の様子を見てみましょう!
「ランゲルハンス島です! ご飯を食べたことで血糖値が上がってきたから、下げないと!」
「血糖値を下げるためにインスリンを血液中に出します!」
「余分な糖は細胞に使ってもらって、肝臓に蓄えておこう」
インスリンとグルカゴンは、互いに拮抗して血糖値を一定の値に調節します。食事をしてグルコース(ブドウ糖)が吸収されると血糖値が上昇しますが、インスリンが肝細胞などに作用してグルコースをグリコーゲンに変換し、血糖値を下げます。また、空腹で低血糖状態になると、グリコーゲンが分解されてグルコースになり、血糖値は維持されます。
最後に、フィードバック機構についての解説です。 甲状腺の動きを例に見ていきましょう。
「わー、雨が降ってきた! 傘持ってないよ~。寒いーめっちゃ寒いー」
突然の雨に濡れて、体が冷えてきてしまいました。そんな時、体の中は??
「こちら視床下部! 雨に濡れて体温が下がってきたみたい。体温を上げるために甲状腺ホルモンを出してもらおうかな」
「甲状腺ホルモンだしまーす!」
下がった体温に対して、熱産生の作用がある甲状腺ホルモンを出します。しかし、なかなか体温が上がらないので、視床下部がもっと! と分泌を促進する。これが「促進する負のフィードバック」の流れです。
「ただいま~、なんか、あったかくなってきた」
「甲状腺です。体温がちょうどよくなってきたみたい。視床下部におわえてもらおうかな?」
「視床下部です。じゃあ、甲状腺ホルモン出すの押さえておくねー」
これが「抑制する負のフィードバック」の一例です。
体温上昇を察知して視床下部に抑制してもらい、甲状腺ホルモンの分泌が抑えられました。
こうして、ホルモンの働きによって私たちの身体は恒常性を保っているのです。
宇宙の誕生から生命、そして人類の誕生から紐解かれた、身体の働きの不思議をわかり易く劇にしてくれました。
私たちの身体は、様々に変化します。その変化には適切な細胞やホルモンが働きかけ、身体が恒常性を保っていることがよくわかりました。
また、生命活動を通して、生命は地球とともに進化し続けてきたことを学びました。
人間も他の生物も、生態系の中で生きています。
しかし、人間は限りある資源や食料を自由に消費し、生物が本来生きていくべき環境を壊しているという事実もあります。
人類は進化の過程で脳が著しく発達しました。その過程で得た知識を、環境破壊に使うのではなく、環境保護に利用していくべきだとの結論に至りました。
生命活動の学習を通じて、様々な学習を終えた2年生は、なんだか頼もしく見えました。
今後も実習や学びにこの学習を活かしていってほしいと思います。
忙しい中面白い劇まで作った皆さん、お疲れ様でした!
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