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『東葛祭』東葛看護専門学校の3年生発表です

東葛祭での学びの発表

こんにちは! 看護学生室です。

すっかり秋も深まり、この頃は朝晩に寒さを感じるようになりました。
あっという間に1ヶ月が過ぎてしまいます……
皆さんどのようにお過ごしでしょうか?

今回のブログでは、連続でお知らせしていました東葛看護専門学校での学生の学び発表を
お伝えします。
3年生は、実習で関わった事例の一つをまとめて発表してくれました。
早速、ご紹介します!

東葛祭での学びの発表

様々な症状を持つ「A氏」の症例発表

山形県出身のA氏は、80歳代とご高齢です。関東に移住してから50年。専業主婦の傍ら内職などをしていました。
8年ほど前にご主人を亡くしてからは一人暮らしをしています。


昨年8月初旬、左上肢に痺れがあると訴えがありましたが、年齢からくる症状か、または病気からくる症状化をご家族が判断しかねていました。その後ベッドで転倒し、以降介助が必要となったという背景があります。
また網膜剥離の既往歴があり、右の視力はなく、左はほとんど見えていません。
難聴による両耳の聴覚障害も持っており、補聴器を使用していますが、耳元で話さないと聞こえづらい様子があります。
2018年1月中旬にご家族が訪問したところ、嘔吐、失禁、構音障害が出現したため救急要請。アテローム血栓性脳梗塞と診断され、入院となりました。

日常生活を送るための動作にはすべて介助が必要なレベルであり、ご家族は「実家暮らしは難しいので施設の方向でサポートをお願いしたい」とのご希望がありました。


しかし体動が多く、ナースコールのコードやベッドシーツを首に巻き付けてしまう事もあるA氏は腹部に抑制帯をつけています。そのため、尿意があってもナースコールを押すことが難しい状態と判断され、オムツでの排泄をしていました。

本人は「一人でできることはしたい」との希望がありますが、カルテ上に「在宅復帰・施設入所でも問題は排泄」との記載を確認したため、主に排泄について重点を置き実習に臨みました。


A氏からも、「トイレ連れて行ってください」という訴えがあり、学生・臨床指導者・教員とも話し合いポータブルトイレの導入は可能ではないかと検討することに。
理学療法士にも聞いてみると、L字柵があれば掴まった状態で20秒ほど立位を保てることが判明しました。
(下記写真はL字柵のイメージです)

様々な症状を持つ「A氏」の症例発表

A氏は便意はありますが、尿意の訴えがなく多量に尿失禁してしまうこともしばしばありました。
そこで食後2時間おき程度にトイレ誘導を行なったところ、失禁回数は格段に減りました。
また、ご本人からトイレの訴えが聞かれるようになりました。

実際の介助の様子を交えて紹介します。

眼が見えず、耳も不自由なA氏はこれから何をするのか、どのように動くかが解りづらく混乱することもあります。
そこで移動する場所を触ってもらったり、こちらからどこへ行くのかを質問してみたりと工夫することで、
スムーズな誘導が出来るようになっていきました。


学生が受け持つ前は夜間に眠れず、昼夜逆転していました。
そのため日中の活動を増やし、麻痺のある左手を使って手の運動をするなど、活動時間を拡大することもできました。

ご家族が面会に来た時も左手の動きを見て「こんなに動くようになった!」と驚かれているほどに回復が見られました。

実習後半には、外出し、大好きな歌を歌う姿も見られました。

「脳の可塑性」を実感

脳の神経細胞は、一度死んでしまえば元には戻りません。
しかし、毎日のリハビリにより、損傷した脳領域周辺の細胞から新たな神経回路ができる
「脳の可塑性」があります。

このA氏の場合は病棟スタッフや学生の関わり、そして何よりA氏の「回復したい」という気持ちから
それまでできなかったトイレ動作や、麻痺のある左側の動作が可能になるなどの回復が見られました。
毎日働きかけることにより、損傷を受けていても回復する力を持つ人間の生命力を実感することができました。

患者さんとじっくり向き合い、実習に臨んでいる姿はさすが3年生!

レポート発表を聞いた1年生からは「やっぱり3年生かっこいいです」なんて憧れの言葉も飛び出しました。
実習は大変なこともたくさんありますが、その分大きな学びを得られる機会です。
学生の皆さんの日々の頑張りを見せてもらえる貴重な時間でした。

学生の皆さん、発表も、そして実習も、お疲れ様でした!

 

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