こんにちは! 看護学生室です。
夏の日差しもそろそろ落ち着いて、朝晩は涼しくなってきました。
学生の方は夏休みもそろそろ終わり、新たな日常を迎えているころかと思います。
東京勤労者医療会のフィールドワークも最後の企画となりました。
8月15日、16日と人権プラザへ行ってきました。
見学のご報告をしたいと思います!
東京タワーがそびえたつ都会のど真ん中。「人権プラザ」は東京都が設立した、人権啓発のための施設です。
近代的なビル街の中、1階が解放スペースになっており、たくさんの展示物や体験コーナーがありました。
まずは座学で講習を受けます。
突然ですが、「人権」を説明して。と言われたら、何と答えますか? うーん、人の持つ権利、とでも言うのでしょうか。じゃあ権利とは? ……何とも難しい言葉です。「人権」という言葉は随所で見かけますが、深く考えたことがありませんでした。
日本国憲法にも人権のことが記されています。条文第11条には、
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」
と、あります。
こうやって書いてあっても、難しくてなんのことだろうと思ってしまいますが、簡単に言い均すと、人が生まれながらに当たり前に持っている権利というのが人権と言えそうです。
人権と密接に関係してくるのが、差別です。差別問題というと、たくさんの問題があります。同和問題や人種的な差別問題、最近だとヘイトスピーチなども問題視されています。
しかし、「差別」と「区別」には大きな違いがあります。例えば、「男性より女性の方が体力がないから力仕事ができない」という考え方は差別的ですが、「男性は体が大きく、女性は男性より体が小さいことが多い」というのは区別です。区別は男女や大人と子どもなど、違いを指しますが、差別とは「本人にはどうすることもできないことで不当に扱うこと」です。例えば人種や出身地、学歴、家柄などで人を判断することが差別につながりかねないというわけです。自分ではそのつもりがなくても、無意識に人を傷つけることがあるのかもしれないと思うとかなりデリケートな問題です。しかし差別と区別の線引きは非常にあいまいで、恣意的です。受け取る側の立場を考えながら発言することを心掛ける必要があると改めて思いました。
座学が終わってから、障害者スポーツ「ボッチャ」を体験します。
ボッチャとは、脳性麻痺などで運動能力に障害がある競技者向けに考案されたスポーツです。赤、青のボールを白い的球にどれだけ近づけられるかを競うもので、パラリンピックの公式種目だそうです。ボールの投げ方はどんな格好でもOK! 簡単なルールですが、なかなか白熱した試合となりました!
判定が難しいくらい的玉に近い時は、専用のスケールで測ります。
初めて体験しましたが、簡単にできるし面白いし、ハマりそうです!
レース用の車いすも体験させていただきました。軽量で、片手でも持ち上げられるくらい軽い素材ですが、30キロくらいの速度で走れる優れものです。
楽しいスポーツを体験させていただき、どんな方でも楽しめるスポーツというのは色んな垣根を越えられるということが体感できました。
今でも、様々な差別で苦しんでいる人が多々います。過去に患った病気の後遺症が残るハンセン病や、水俣病患者。在日外国人の方。皆の立場を考え、その人が人間らしく生活していける世の中を作ることが、差別をなくす第一歩なのかもしれません。
3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックには、様々な人が参加します。オリンピックが開催されると、住みやすい街になると聞いたことがあります。様々な人に対応した街ができれば、おのずと人に配慮できる環境が整うのでしょう。
環境だけではなく、相手のことを考えることから始めれば、差別のまなざしを人に向けるようなことが減ってくるのかもしれません。まずは相手を思いやること、そんな小さなことからでも変わっていくことができるのかな、と思ったフィールドワークでした。
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