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LLL(Let's Learn of Life)が開催されました!

梅雨の気配?

こんにちは! 看護学生室です。
あっという間に過ごしやすい春が終わり、そろそろ梅雨の気配がしてきました。
季節の移り変わりが早いなあと毎年思う、この頃です。

久しぶりのブログ更新になりました。
奨学生活動についてお知らせします!

LLL開催!

5月12日に、東京民医連の学習企画「LLL(Let’s Learn Of Life)」が開催されました。

本年度は、実行委員会の話し合いにて「被爆」を主題にすることが決定されました。

タイトルは「The future of the futureこれからの未来のために~唯一の被爆国 医療者としてできること~」です。

1945年8月、広島と長崎に相次いで原子爆弾が落とされ、日本は壊滅的な被害を受けました。
たった2発の原爆で、広島で9万~16万、長崎で3万9千~8万もの人々が死亡したといいます。
全体では12万~24万人もの尊い命が一瞬にして焼き尽くされたのです。


惨劇から73年が経過した今、その記憶はだんだんと薄れてきてしまいました。

過去に起こったこと、という認識でしか捉えられていなかったり、
被爆者である語り部の方々の高齢化もその原因の一つと言えるかもしれません。

そんな背景を学習した実行委員で、「自分たちが語り部の生の声を聴ける最後の世代かもしれない」
という声があがりました。

こうして、今回のテーマが決定したのです。

また、学習を進めるうちに、被爆者であるがゆえに差別を受けている人がいること、
それは現在まで続いていること、そして高齢化してきた被爆者の方が「孤老(ころう)」と呼ばれ、
社会から孤立してひっそりと生きているという現実を知りました。

そのような学習を踏まえて、当日を迎えました。

まずはアイスブレイク

まずは、知らない人とでも話しやすいようにアイスブレイク。
「名前の頭文字で自己紹介」と「まじかるばなな」をグループで行ないます。
失敗すると秘密を話すという、なかなかスリリングなルールつき! 
失敗しちゃった~、と恥ずかしがる人も?!

皆さん、緊張が解けて表情も明るく楽しそうな雰囲気になってきました。

まずはアイスブレイク

「原爆孤老」を知る

続いて、学習に移ります。

「孤老」という言葉をご存知ですか?

これは、原爆で被害を受けた方が差別などを恐れて人目を避けて生活していくうち、
社会から孤立していった人たちを指します。

「原爆はうつる」などといった誤った知識と偏見から、被爆者は自らの出自を隠して生活する人も。

映像資料を見て、原爆被害は過去の事ではなく、現在も苦しんでいる人たちがいることを知りました。

「原爆孤老」を知る

語り部の証言を聴く

続いて、講演です。

講師には、一般社団法人 東友会(とうゆうかい:被爆後を東京で生活していた原爆被爆者の会。
1958年11月16日に結成された)に所属されている山田玲子さんを講師にお招きしました。

山田さんは、広島市己斐町の出身です。小学生だった山田さんも、物資が不足していること、

世の中の緊張した空気を子どもながらに感じ取っていたといいます。

1945年、8月6日。

この日も山田さんは、いつもどおり学校へ出かけました。
校庭で作業し、気分が悪くなったので木陰で休んでいる時、原爆が投下されました。

目の前が真っ白になるほどの閃光が走り、その後雷のような轟きが響き渡りました。
途端に暗闇に包まれ、少し遅れて強風が吹きつけます。


目が慣れると、辺りの様子は一変していました。
校舎のあった場所には瓦礫が積り、そこここからうめきとも唸りとも言えないような響きが聞こえます。

山田さんのご一家は難を逃れ無事でしたが、即死した人、家族の帰りを待ち続ける人、様々だったといいます。

その後、己斐町では「黒い雨(原爆投下後に降る雨、放射性降下物の一種)」が降りました。

語り部の証言を聴く

しばらくすると、山田さんの通っていた学校の校庭は火葬場になり、
台車で運ばれた遺体を掘り返した地面に並べ、火葬していました。

そこには人間への尊厳を感じられない、痛切な場だったといいます。

数年後、学校の敷地内に畑を作ったところ、収穫時には
人骨が沢山出てきたというお話もありました。


苦しくつらい体験ではありますが、山田さんはご自身の体験を様々な人に
知ってもらうべく、全世界を飛び回っています。

核爆弾を落とした側のアメリカを訪問した際は、
「原子爆弾が落とされなかったら戦争は終わらなかった。だから原爆は正しい」

といった意見を聴くこともありました。

しかし、山田さんの壮絶な体験を聴いた後、
「私がアメリカ人として謝ります」と泣き出した学生などもいたそうです。

山田さんは、原爆を落とした国を憎むのではなく、
「核兵器」こそ憎むべきものだと話し、核兵器廃絶を訴え続け、それを
実現させることが平和への道のりだとお話しされました。

講演を聴いて……

講演を受けて、グループワークで話し合います。

看護学生として実習で受け持った患者さんが戦争体験をしていることは
あっても、詳しい話を聞いたのは初めて、という人や、
自分なりに戦争や原発(核兵器)の事を学んだけど、よくわかって
いなかったので話を聞いてよかった、といった声が聞かれました。


また、孤老の紹介映像を見た際に「孤独死を覚悟している」
という声を聞き、ショックを受けました。
差別が根強く残っているからこそ、被爆者の方が心を閉ざす原因に
なってしまうのだと思います。
医療者として、正確な知識を持つことで差別的な視点を変えていけるはずだ、
といった意見が交わされました。

講演を聴いて……

質疑応答では被爆者の方がかかりやすい疾病などが挙げられ、
がんをはじめ甲状腺低下症(または甲状腺亢進症)や心筋梗塞などがあることを知りました。

また、被爆者の方と話をする際には、いきなり訪ねたりするのではなく、
同じ経験をされた方と同行するなど、お話しされやすい環境を
作ることなどを教えていただきました。

山田さんは最後に、戦争にまつわる様々な文献や書籍、また経験談があるが、
今日聞いた山田さんの実体験を、是非色々な人に伝えてほしいと仰いました。

個人がする体験は、その個人だけのものです。
しかし、山田さんのように辛い経験をお話しくださったとき、私たちはその経験を疑似体験します。

胸が痛かったり、涙が出たり。

そういった気持ちを、また誰かに伝え、そうやって
「戦争を経験した人の語り」を、伝え続けていく必要があります。

今回の講演で、私たちは山田さんからのバトンを受け取りました。

各自が少しずつでも、戦争のこと、被害のこと、そこから生まれた差別のこと……

感じ取ったことを、周りの人に広げることが、平和への近道です。


70余年前に起こったこと、と過去のこととしてとらえるのではなく、
これからも、核兵器を使う戦争が起きないような世界を作るにはどうしたらよいか?

ということを常に考え続けることが、大切なことかもしれません。

参加した皆さん、お疲れ様でした。今日の学びがこれからの学習など、
何かに活かしてもらえたらと思います。

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