こんにちは! 看護学生です。
今回のブログでは、勤医会で行なわれた看護講座についてお報せです。
講座は、この4月に看護学校に入学した方から専門学校2年生、大学3年生と
幅の広い皆さんを対象に行ないました。
まだ学校生活のことで頭がいっぱいな方もいるかもしれませんが、
何か学んでくれたらうれしいな……と思いながらの開催です。
今回の看護講座は、「透析について」をテーマに行なっていただきました。
講師は、東葛病院に勤務するF看護師。
早速ですが、「透析」って何か、ご存知ですか?
なんとなくは知っていても、どんな人が、どんな症状で、どんな治療をすることなのかは意外と知らない人もいるかもしれません。
資料や実際の医療器具を紹介しながら講義してくれました。
透析のことに触れる前に、身体の仕組みをおさらいしましょう。
透析と一番密接な関係にある臓器は、腎臓です。大きく分けて、6つの働きがあります。
水分量のコントロール、血圧の調節、老廃物の排泄、電解質の調節、造血機能を促進、ビタミンDの活性化です。
腎臓の働きは、血液内の余分な水分や電解質、老廃物を濾し出す機能があり、これはやがて尿となり膀胱に溜まります。
腎臓の細い血管が障害されるような病気になると、腎臓のろ過機能が低下してしまいます。
このような障害をおこしやすい病気は、急性腎不全・慢性腎不全・糖尿病・高血圧・ネフローゼなどが挙げられます。
そこで、透析治療を行なうわけです。
身体から血液を抜き、機械に通すことによって余分な水分や老廃物を濾しとります。
基本的に週3回通院し、1日4時間をベッドの上で過ごし、健康状態を保っているのです。
また、沢山の血液をポンプで体外に吸い出すため、動脈と静脈を繋ぐ「シャント」という手術を受けます。
透析治療を受けている方は、体重を保つために食事や水分の摂取制限を行ない、常にコントロールしています。
体調の良い時の体重を基本とし、設定体重(ドライウェイト)の3%~5%以内に体重増を抑えなくてはいけません。
しかし透析を長年続けていくと、腎機能が退化し、尿が全くでなくなっていきます。
食事や、体の外に出ない老廃物が残ることにより、体重は増加してしまいます。
ご自身の体重は何キロくらいでしょうか?
例えば70kgの人であれば、ドライウェイトは3.5kg、40kgの人は0.8kg。
水分をこれしか摂ることができない生活を想像してみてください。
また、毎回太い針を腕に差し、そのまま4時間過ごします。
そして、食事制限があります。カリウム、リン、水分、塩分などを多く含む食べ物は、
腎臓から排泄されるべきものがたまってしまうため、健常者と同じように食べることができません。
腎機能の低下によりカリウムが排泄されなくなると、血中濃度が上昇し、
徐々に全身筋肉の活動電位が発生しにくくなることにより、筋肉が脱力してしまいます。
膝がカクカクして力が入らなかったり、心臓は徐脈から心停止へと移行してしまうのです。
命を守るための治療ですが、透析には様々な苦痛やストレスがついて回ること、
また患者さんが常にそのような状態になっていることを、医療職として知っておく必要を強く感じました。
透析患者さんは、ご自身の辛い治療を続けることや、食事制限などの苦労をしながらも、
懸命に頑張っている方々だということを覚えておかなくてはなりません。
受講した学生からは、「透析治療とカリウムの関係性がよくわかった」
「透析を受ける方に使う針の太さにびっくりした。あれを2本も刺すと思うと本当に大変」
といった声が聞かれました。
看護学生の皆さんは実習などで、透析を受けている患者さんを受け持ったり、
透析導入を検討している患者さんとお話しする機会があるかもしれません。
そんな時、「この人は辛い治療を受けているんだ」という知識を持って接すると、
対応の仕方も変わってくるのではないでしょうか。
患者さんの気持ちに寄り添った看護を常に求めていきたいものです。
講師を快諾してくださったF看護師、ありがとうございました。
参加された皆さんもお疲れ様でした。次回は9月に看護講座を予定しています!
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