今回は、東葛病院の地域包括ケア病棟で勤務されているKさんが講師を務めます。
看護師を目指す皆さんにとっては、「地域包括ケア病棟ってどんなところだろう」
「どんな患者さんが入院しているんだろう」といった疑問があるかと思います。
まずは、地域包括ケア病棟について紹介してくれました。
「地域包括」の名のとおり、患者さんと、病院、介護施設、在宅との橋渡しをする役割を担う病棟です。
在宅復帰を目標として、在宅での生活を意識したADLの維持と改善をしていきます。
病気の治療を終えているけど、リハビリをもう少ししたい患者さんや、
また在宅から介護者の介護負担軽減のための短期入院の受け入れなども行なっています。
地域包括ケア病棟は、入院期間が60日と定められており、大部分の診療行為の算定が包括されています。
これは、検査や手術、リハビリ、高額薬剤使用も含まれています。
東葛病院の現状としては、高齢者の方が大半を占めており、認知症などの
疾患を抱えている方も多くいるとのこと。
そして、患者さんが住み慣れた地域に安心して帰ってもらうために、
ケアマネージャーや関連業者と連携し、退院を支援していくのが、
地域包括ケア病棟の役割です。
実際の活動の報告もしてくれました。
短期入院を利用されている方を中心に、介護状況、生活背景のなどを伺い、確認を行ないました。
在宅療養になった経緯や病院や医療(地域)への願いなど、4つの項目をインタビューします。
多系統萎縮症、筋ジストロフィー、進行性核上麻痺など、疾患もばらばらな皆さん。
話をじっくり伺ってみると、共通していることは「在宅療養が辛い」というお話よりも、
「今の生活が続いてほしい」という願いを強く感じるものでした。
住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで送れるように地域との懸け橋になるのが地域包括ケア病棟の役割です。
在宅介護をしている方の手を離れ、介護者が休息する時間をつくる短期入院も地域包括ケア病棟の役割と言えます。
今後も、様々なニーズに合わせた看護ができるようにしていきたいと締めくくられました。
続いては、「コミュニケーションを取る時のコツ」をロールプレイングします。
まずは普通に、隣の人と会話してみます。そこから、アドバイスをしてもらい、もう一度会話をしてみて、コツをつかんでみよう! という実践です。
例えば、「笑顔で挨拶をする」ということ。
一見、当たり前の事のようですが、挨拶をするというのは「あなたのことを意識していますよ」という働きかけになり、笑顔は「相手を安心させる」という効果があります。
また、高い声よりも低く抑えたトーンの方が聞き取りやすいという効果があります。
また、疾患などから同じ話を長くしてしまう患者さんには、話を要約してあげることでコミュニケーションが取りやすくなること、相手の言葉をそのまま返す「オウム返し」をする時は相手の気持ちを汲み取って返すと、より伝わりやすいといったことを教えて頂きました。
学生からは、「実習に行ったときに役立ちそう」「高い声の方が明るいイメージがあったから、トーンを抑える方がいいと知ってびっくり」といった感想が聞かれました。
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