2014年7月8日、みさと協立病院精神科病棟で十数年ぶりにソーメンが流れた!!
きっかけは七夕。精神科病棟では、クリスマスや初詣、豆まき、ひな祭り、お花見、などなど季節に応じた行事を実施している。6月の初め頃、「今年もそろそろ七夕の季節だね、流しソーメンやってみたいねぇ」とのスタッフのつぶやきが、今年はついに「うちに流しソーメンセットあるよ」の一言で実現することになった。
季節行事は企画の段階から入院患者さんと一緒に考えることもあるが、今回はスタッフ側から「流しソーメン大会などどうでしょう!」と提案した。患者さんの反応は上々で、「道具はどうするの?」「どこでやるの?」「水はどうするの?」などの声が次々と上がった。
また、「ソーメンと一緒に何を流したいか?」と提起すると、「みかん」「サクランボ」「スイカ」「俺は透析で果物ダメだから、ところてんがいい!」などの意見が寄せられた。
患者さんたちに提起してから当日までの約1ヵ月、病棟は流しソーメンの話題で持ちきりとなった。患者さんからは、「食べられるかしら……」と心配する方、賑やかなのは好きじゃないと言われる方、すごく楽しみという方など、反応はいろいろだった。
スタッフも楽しみであり、あまり賑やかになり過ぎると精神症状が悪くなる人もいるのではと心配したり、当日うまく進行できるか不安だという声が聞かれた。
当日は朝からみんなそわそわしていた。「何時から始めるの?」「どれくらいソーメン買ってきたの?」「流す係じゃないけど流してもいいかな?」「つかめるかしら?」などと話していた。
午後、女性陣を中心にソーメンをゆで、男性陣は会場づくりをした。栄養課からも手伝いに来てくれた。「じゃぁ始めるよ~!」の声に、箸とお椀をしっかりと持ってスタートした。
普段は食事が摂れない方が「おいしい! おいしい!」と一人前以上食べたり、患者さん同士で、遅れてきた方やなかなか自分でソーメンを取りに行けない方の代わりにお箸を渡したり、薬味を勧めたり、ソーメンを取ってきたりと、声をかけ合ったり、気遣いをし合ったりしていた。「ここなら取りやすいよ」とザルからすくいあげる人たちもいた。笑顔があふれ、楽しい時間が流れていた。
この流しソーメン大会をきっかけに、患者さんたちの間でおしゃべりが増えたり、役割を果たして達成感を得られたり、退院に向けて楽しい思い出ができたりとさまざまな変化が見られた。スタッフ間では他職種との交流もでき、大成功の流しソーメン企画となった。
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